光エネルギーを視細胞の膜電位の変化に変換するのは、視細胞の外郭にある光に敏感な色素タンパク質が光子を吸収するところから始まります。 これらの色素タンパク質は、オプシン系と呼ばれるファミリーに属している。 杆体の色素タンパク質はロドプシンと呼ばれ、錐体の色素タンパク質はヨードプシンと呼ばれます。 桿体1本の外節円盤には、最大で1億個のロドプシン分子が含まれていることがあります。
ロドプシン分子には7つの膜貫通ドメインがあり、その構造は代謝性シナプス受容体にやや似ている。 実際、ロドプシンは、作動薬がすでに結合している受容体タンパク質と見なすことができます。 このアゴニストは、ビタミンAに由来するレチネン(またはレチナール)と呼ばれる分子で、ロドプシン分子の第7膜貫通ドメインの中央に結合している。 具体的には、レチネンの11-シス型が、光を吸収するとオールトランス型に異性化するのである。 この異性化によって、ロドプシンは活性型であるメタロドプシンIIに変換される。 このようにレチネン分子の再構成は、あたかも神経伝達物質が突然受容体に結合したかのような効果をもたらすのです。 ロドプシンの光異性化反応




次にメタロドプシンIIはトランスデューシンという特定のGタンパク質を刺激する。 すべてのGタンパク質と同様に、トランスデューシンは次に別の酵素、この場合はホスホジエステラーゼ(PDE)を活性化する。 PDEが活性化されると、光がないときに桿体細胞質内に存在するcGMPを通常のGMPに変換する。 その結果、cGMPが減少し、竿の細胞膜にあるナトリウムチャネルが閉じられ、細胞が過分極される。 その結果、視細胞のシナプス末端から放出される神経伝達物質(グルタミン酸の可能性が高い)分子の数が減る。
この生化学的カスケードの2つのポイントで、信号の増幅が起こることに注目されたい。 メタロドプシンII1分子あたり約100個のGタンパク質分子を活性化し、ホスホジエステラーゼ1分子あたり約1000個のcGMP分子をGMPに加水分解するのである。 杆体が1個の光子の存在を感知できるのは、この増幅現象によるものである
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